牛肉100%の「爆弾ハンバーグ」で知られるフライングガーデンは、北関東を中心に58店舗を展開するレストランチェーンだ。その中でも、太田飯塚店は2024年10月に新築移転オープンしたばかり。お客様が開店前から店前に集まり、80席はまたたく間に満席になった。株式会社フライングガーデン 商品開発部長 山田淳一さんは、「新築の同店ではコンロを取り払い、厨房の中心にiCombi Proを設置しました。厨房はコンパクトになっていますが、iCombi Proのおかげで不便を感じません」と話す。山田さんは、まず本社でiCombi Pro を1台購入し、徹底的に使い込んで従来の調理法から改善される点を検証したという。
どのメニューにも添えられるコーングラッセとブロッコリーは、1日分を大量仕込みしなければならなかった。野菜を調理して冷まし、冷蔵庫に入れるという作業は工数だけでなく場所も使う。茹でたての野菜は冷めるまで作業台を占領し、気温の高い季節には衛生面や食材劣化の不安があり、準備する従業員の負担も大きかった。さらに「人による作業なのでどうしても仕上りにばらつきが出てしまい、安定した商品が提供できないという悩みを抱えていました。以前は6kgのコーンを加熱して調味し、バットで冷ましてから冷蔵していましたが、今は材料をホテルパンに入れ、調味料を加えてiCombi Proで5分。調理法をプログラムしているのでボタンを押すだけで、誰でも同じ味に仕上がります。ブロッコリーは蒸し調理後、庫内の温度を30°Cに下げて粗熱を取るようプログラムされており、取り出してわずかの時間を置くだけですぐに冷蔵庫で冷却できます」と山田さん。
手間の軽減はもちろん料理がさらにおいしく仕上がることがわかり、店舗テストを経て各店で順次導入が開始された。効果は一目瞭然で、オープニング作業が3名から2名に減り、つけっぱなしだったガス代、鍋などの器具を洗う際の水道代など、ユーティリティコストも削減できたという。
山田さんはプランニング機能を活用し、1時間でオープニング作業が終わるようにプログラムを組んでいる。そのため従業員はiCombi Proのタッチパネルに表示される調理を行えばよく、仕上り具合を監視する必要もなく調理終了のブザーがなるまで別の作業ができる。「MyDisplayという画面のカスタマイズ機能を使用しているので指導も簡単です」ガーリックライスの調理、スープやソースの温め、パンのリベイクなど活躍の場はまだある。「オーブングリルのチキンもiCombi Proのおかげで皮目はパリッと、中はジューシーに焼けるようになり、以前よりおいしくなりました」
山田さんはConnectedCookingの便利さも実感している。新店舗も開店する中、メニューの変更は約60店に通達し、従業員に指導していかなければならない。新メニューの説明は従来通り各店で説明も行うが、ConnectedCooking により、iCombi Pro内での調理メニューの変更は本社から一括送信される。
これまで、従業員がオーブンの温度設定を感覚で加減することもあった。300°Cで焼くと決められているのに「焦げそうだから」と現場で280°Cに落としてしまう。それによって仕上がりが変わったり、提供に時間がかかってしまったりすることもあった。そうした状況がConnectedCookingにより、店舗にいなくても把握でき、問題の改善につながった。また、より分かりやすい操作を実現するため、画面をカスタマイズし、これを本部から一括して管理できることも効率化に大きく貢献している。iCombi Proの使用状況の確認はもちろんだが、各機器に異常が生じたときにも通知され、故障してしまう前に対処が可能だ。機器の異常を確認するだけでなく、履歴が残っているので原因をたどれるためだ。
「iCombi Proの操作はカスタマイズした画面などにより、基本的に簡単です。ですが、もし扱い方がわからないと店舗から連絡があっても、電話をしながらタブレットでその店の機器の状況を確認し、適切なアドバイスができています」いずれはエリアマネージャーにConnectedCookingの管理や対応を任せたいと考える。
「ラショナルさんには当社の商品構成でどのような使い方が合っているか、効果的かをレクチャーしていただき大変役立ちました。今後は新しいメニューも増やしていきたいです。パイを使ったホットデザートや、パイ包みのスープなどもきっとお客様に喜んでいただけると思うので研究したいです。また、iCombi Proを中心としたコンパクトな厨房でテナントやビルインできるような新業態で、これまで参入できなかったエリアに挑戦できれば」と山田さんは意欲的だ。